突然ですがみなさん、ダーツで16度世界王者に輝いたフィルテイラー選手をご存知ですか?
ダーツが好きな人であれば知らない人はいないというほど人気もあり、実力も「ダーツの神様」と言われるくらい圧倒的にレベチです。
サラッと言いましたが世界中の幾多の強者が集まるスティールダーツの大会で「16度の優勝」ですよ。
ただ、16度優勝しているのにはなにか理由があるはずです。投げ方だったり練習方法だったり。
そこで今回は、そんなダーツの神様と言われているフィルテイラー選手の投げ方や練習方法についてまとめてみました。
さーもん(管理人)
ダーツ上達に繋がるヒントがきっとあるので、今伸び悩んでいたりダーツ上手くなりたいと思っている方の参考になれば嬉しいです。
僕も一緒に学びながら記事を書いていきたいと思います。
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ダーツの神様ことフィルテイラー選手とは一体何者?
まずはフィルテイラー選手をあまり知らない人のために、簡単にプロフィールをお話したいと思います。
- 名前:フィリップ・ダグラス・”フィル”・テイラー
- 出身:イギリス
- 利き目:左目
- 利き腕:右目
- ダーツ歴:30年以上
そして、注目すべきは過去の成績。
フィルテイラー選手の成績
- 世界大会で16度の優勝
- 生放送で12回のナインダートフィニッシュ達成
- 1試合で2回のナインダートフィニッシュ達成
めちゃくちゃ簡潔に書きましたが、恐ろしい成績です。
あと世界最高峰のPDCにて「最多優勝・最多決勝出場・最多出場・最多勝利・不敗記録」という記録も持っています。
さーもん(管理人)
こんなに輝かしい成績を記録しているフィルテイラー選手のフォームやスローは一体どうなっているのでしょうか。
フィルテイラー選手のフォーム・スロー分析
フィルテイラー選手は一日8時間の練習を毎日していたというので、強さの秘密はフォームやスローだけに留まらないことかと思いますが、参考になる部分はたくさんあると思います。
下記の順番で説明していきます。
- スタンス
- グリップ
- セットアップ
- ユーミング
- テイクバック
- リリース
- フォロースルー
では一つずつ見ていきましょう。
フィルテイラー選手は「ほぼクローズドスタンス」
フィルテイラー選手のスタンスは「ほぼクローズドスタンス」ですが、若干スタンダードスタンス寄りな気もします。
一方、立ち位置はダーツボードの中心が足の軸にくるような位置で立ちます。
そして特筆すべきは「足や腰の重心位置」です。
フィルテイラー選手の体がブレないのは、このスタンスももちろん関係ありますが、重心の掛け方や割合がとにかく素晴らしい。
右足と左足の重心を掛けている割合とかは正確にはわからないんですが、前重心に特化しているような感じではないですね。
おそらくですが、ダーツを投げない左半身の使い方がすごく上手なんだと思います。
体がブレる人はフィルテイラー選手のスタンスをヒントにすると、ブレが減るかもしれません。
さーもん(管理人)
僕自身数年前からこの立ち方やスタンスで投げてまして、姿勢維持もそこまできつく、上半身もブレずに楽に投げられています。
グリップは「3フィンガーグリップ」
これは有名な話ですが、フィルテイラー選手のグリップは3フィンガーです。
親指の腹でしっかりダーツを持ちつつ、人差し指はダーツの上に被せて、中指はバレル横のちょい下辺りに添える感じで持ってますね。
そして、注目すべきは「手首がしっかり倒れていること」と「薬指と小指がグーになっているところ」です。
手首が倒れていると、テイクバックした時に手首が余計な動きをしにくいですし、しっかり倒れていることによって、いつもと同じスローを再現しやすくなります。
また、薬指と小指が開いておらず握り込むようにグリップしていると、スローしたとき自然に手首が返って変に力が伝わらないので同じ矢の姿勢を維持したまま飛ばすことができると感じました。
もちろん手首の柔軟性やグリップの仕方で手首が倒せたりあまり倒せなかったりしますが、フィルテイラー選手のようなリラックスした力みのないスローをするには、このグリップを参考にしてみてもいいと思います。
さーもん(管理人)
3フィンガーグリップは、グリップの安定感や指離れのしやすさをバランスよく取り入れているグリップなので、グリップ感でしっくり来てない人は少し試してみても良いかもしれませんね。
「目線・矢・的」をキレイに一直線に繋いだセットアップ
フィルテイラー選手のセットアップは上の画像のような感じです。
ボードは写っていませんがこの時コークでブルを狙っています。
この画像を見ると「狙う的・ダーツの矢・目線」がキレイに一直線に結んであることが想像できることかと思います。
一直線に結んであげると、狙う的が変わっても同じフォームを維持しやすいというメリットがあります。
そして、フィルテイラー選手の身長は175cm(シューズの厚みを合わせたら大体178cm)でダーツボードのブルの高さは173cm。
フィルテイラー選手はスタンスした時に体があまり沈み込まないことと、大体の人は頭から目までの距離が大体10cmくらいと言われているので、目線はブルのちょい下らへんに位置していると考えられます。
なので、フィルテイラー選手は目よりもやや高い位置で構えていて、ダーツの矢は少し上を向いていますね。
ブルって以外と高いところにあって、180cmくらいあってようやくブルと目線が同じくらいの高さになります。
ほとんどの人がそんなに身長が高いわけではありませんよね・・・。
ということは、ターゲットよりも目線が低い人は、下や並行に投げるよりも上に投げるイメージを持った方がダーツはキレイに飛んでいきやすいことがフィルテイラー選手の構え方を見るとわかります。
さーもん(管理人)
もちろん他が要因でキレイに飛んでいかないこともありますが、素直にダーツを飛ばしてあげた方が余計な力も伝わりにくいので、理にかなっているのかなと感じました。
1投目のユーミングでしっかり狙って後はリズムよく流れるように投げる
フィルテイラー選手は、1投目にしっかりユーミングして狙っているように見えます。
ちなみに2投目のスロー時のユーミングはこんな感じです。
1投目のユーミングより2投目の方が少し早いタイミングで投げているように感じます。
おそらく、1投目にしたユーミングで狙いがさだまったら、1投目に合わせるように2投目~3投目というような感じでリズムよく投げていますね。
実際にこのユーミングとリズムで投げてみたら「シンプルだし再現性を高めやすい!」と感じました。
この記事を見てくれている人で「いまいちリズム上手く作れないんだよなー」という方は一度このシンプルかつ再現性にも期待できるフィルテイラー選手のユーミング方法を試してみてはいかがでしょうか。
さーもん(管理人)
日本人選手でいうと、村松治樹選手が似たようなユーミングをしていて、フィルテイラー選手からフィーリングをもらっているのではないかと個人的に思っています。
トッププロの村松さんが、色んなメディアで自分のダーツの理想について「シンプル」「無駄なものをなくす」と言っているので、フィルさんの投げ方はやはり理にかなっているのではないかと思います。
テイクバックは短め
フィルテイラー選手のテイクバックはそこまで長くなく、どちらかというと短い方です。
テイクバックが短いということは、単純に腕を引く距離が短いのでその分ミスに繋がる要因が減るということが言えます。
さーもん(管理人)
ただ、力任せにダーツを投げている人の場合、テイクバックを短くした時に上手に力を伝えられずに失投することがあるので、力を上手に伝える練習としてもテイクバックを短くするのは良いかもしれません。
指を離すタイミングが早いのでスムーズなリリースができる
フィルテイラー選手のリリース(ダーツを離すタイミング)はめちゃくちゃ早いです。
リリースが早いと、下記のメリットがあります。
- ダーツに無駄な力が伝わらないので、ブレが少なくなりやすい
- 腕を出しきる前に離すので、飛ばしたい方向に飛ばしやすい
- リリースが遅いのと比べて、ミスが起こりうる要因が減る
そして、フィルテイラー選手がダーツから指を離すタイミングは、腕をテイクバック最下点まで引いて腕を出し始めた瞬間になります。
腕が動き出したと同時に、バレルの上に被さっている人差し指から離れていき、中指と親指も人差し指が離れた後すぐに離れています。
さーもん(管理人)
以上のことから、リリースが遅いと感じている人は、もしかしたら人差し指の解放がやや遅いのかもしれません。(もちろんグリップの仕方によりますけどね)
リラックスして自然なフォロースルー
フィルテイラーのフォロースルーは自然体そのものですね。
しっかりターゲットに伸びた腕、投げた後の腕が少し揺れるほどのリラックス感すべてがキレイです。
スティールダーツを主戦場としていたので、ソフトとは少し投げ方が違うのというのはありますが、現にスーパーダーツというソフトダーツの大会で世界トップクラスのプレイヤーを差し置いて準優勝をしています。(ちなみにこの時の優勝者は村松治樹選手)
さーもん(管理人)
もちろん本人の段違いの技術レベルはあると思いますが、十分に参考になる部分だと思います。
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フィルテイラー選手の練習法5選
先程もチラッと言いましたが、フィルテイラー選手は一日に朝4時間夜に4時間の計8時間の練習時間をこなしていました。
とはいえ、一日に8時間も練習に費やすのはなかなか難しいのですよね。
なので、いつもする練習にプラスしてこのフィルテイラー選手の練習方法を取り入れてみてみてください。
割と実践に近い練習法なので、ダーツ上達に繋がると思います。
ということで、フィルテイラー選手がしていた練習方法を5つ下記で見ていきましょう。
※所々練習メニューの名前を忘れてしまってます・・・大目に見てもらえると嬉しいです。
ブル強化練習
名前の通りブルを強化する練習法です。
練習内容としては下記のように行います。
- ターゲットはインナーブル
- 投げる数は60本(計20ラウンド)
- インナーブルは5点
- アウターブルは2点
- ハットトリックは10点ボーナス
- 500点満点
この練習法をすることで、文字通りブル率が上がることが期待できます。
ソフトダーツで主流のゼロワンなどのゲームで点数を多く減らせますし、クリケットでも最後のクローズやブルによる追い上げで粘り強く相手と戦うことができるので、この練習はぜひ基礎練習として取り入れておきたいところです。
20トリプル強化練習
20のトリプルを狙う練習方法です。
練習内容としては下記のように行います。
- ターゲットは20のトリプル
- 投げる数は60本(計20ラウンド)
- 20トリプルは5点、20シングルは2点
- 180が出た場合は15点プラス(計30点獲得)
- 600点満点
20トリプルを狙う練習法で、ブルと同じようにハードダーツやセパブルの削りの練習として効果が見込めるでしょう。
また、20トリプルが外れて20のシングルに入ったとしても得点が加算されるところを見ると、20の縦ラインを意識する練習とも捉えることができます。
20の両隣は1と5なので、横にズレてしまうと削れる点数がガクッと下がります。
横ズレしてしまう人はぜひ取り入れたい練習ですね。
トンあがり
100点を3本で上がる練習法です。
練習内容としては下記のように行います。
- 1投目のターゲットはT20
- 投げる数は60本(計20ラウンド)
- 3本で上がれた場合は10点
- 2本(T20-D20)で上がれた場合はプラス10点(計20点)
- 400点満点
2本で上がれた場合にボーナスが設けてあるのは、2本目で上がれる数字にしておくと、もし2本目で上がれなかったとしても3本目でトライできるので実際の試合でのチェック率に大きく関わってきます。
これはどちらかというとハードダーツのルールに適した練習内容とはなりますが、ソフトダーツでもセパブルというルールでの上がりの練習としてチェック率を上げることが予想できます。
ダブル・トラブル
ダブル強化練習です。
練習内容としては下記のように行います。
- ターゲットはダブルで、1から順番に20まで狙っていきます
- 投げる数は60本(計20ラウンド)
- 20までダブルを入れたらまた1からスタート
- ダブルに入ったら5点
- 300点満点
ダブルを狙う練習法なので、ダブルのチェック率アップに期待ができます。
ハードダーツの場合はダブルアウトが基本となるので、アレンジで自分が思うような数字を残せなかった場合、普段使わないような数字であがらなくてはいけません。
練習に取り入れることで、どの数字が残ったとしてもフィニッシュトライの確率を上げられます。
また、ダブルの外枠を狙うことによって、体の使い方が上手になることも考えられます。
スイート16
32をあがる練習法です。
練習内容としては下記のように行います。
- ターゲットは16のダブル
- 20ラウンド投げます
- 3本以内で32残りを上がれたら15点
- 300点満点
32点をあがる練習法で、もし32以下になった場合でもその数字を1ラウンド(3本)で上がれば15点獲得となります。
ソフトダーツでもよくある場面で、圧倒的に自分が有利で1本であがれる数字なのに、3本使ってもあがれずにラウンドが終わって、相手のラウンドであがられて逆転負けしてしまったみたいな場面。
もちろん余裕をぶっこいてなくても3本であがることができなかった時などもありますが、逆に余裕を持たずにあがったら勝ちというプレッシャーで緊張してしまったりしてあがれないこともあります。
なので、余裕がある時のメンタルを保つ練習にもなると個人的に思っています。
フィルテイラー選手のセッティング分析
フィルテイラー選手は現役を引退しているので、正確な現在のセッティングはわかりませんが、最新モデルのバレル以外はそこまで変わっていないと思われます。
そのへんをご了承の上フィルテイラー選手のセッティング分析を御覧ください。
バレルは自身のモデルを使用
フィルテイラー選手の使用バレルは「TARGET(ターゲット) POWER 9FIVE G10(パワー ナインファイブ ジェネレーション10)」です。
そして、フィルテイラー選手のバレルは歴代を通してみても、あまり形状が変わりません。
細かなグリップの部分などには変更があったりデザイン面の改善はありますが、基本似たようなスペックです。
グリップ部分は、サンドブラスト加工がされており、グリップ部分に細かなこだわりがあることがわかりますね。
ちなみに、ソフトとハードの両方が発売されていて、重さにもラインナップがあります。
- ハードダーツ:22g / 24g
- ソフトダーツ:18g / 20g
比較的標準的な重さで、長さや最大経も標準的なので、誰でも扱いやすいようなモデルなのではないかと思います。もちろん好みによると思いますが。
また、フィルテイラー選手は中指をバレルの真ん中あたりに添えるので、バレルの中央にある縦カットも重要な役割をしてそうですね。
さーもん(管理人)
同じようにスリーフィンガーグリップで中指を横に添える人には、しっくりくるバレルかもしれません。
フライトは小さめ
フィルテイラー選手が使用してきたフライトは割と全部小さいです。
フライトが小さいと空気抵抗が少なくなるので、失速しづらくまっすぐダーツが飛んでくれます。
とはいえ、大きいフライトと比べて軌道修正力が少ないので、ダーツが暴れたりしてまっすぐ飛ばすのが難しいです。
さーもん(管理人)
小さいフライトは、ダーツスキルが求められるので、ダーツを飛ばすのがキレイになりたい方やダーツを飛ばすのに自信があって今以上にレベルアップさせたい方などにはおすすめのフライトと言えるでしょう。
シャフトはチタニウムのショート
シャフトはチタニウムシャフトのショートを使用していますね。
チタニウムシャフトの特徴としては、下記が挙げられます。
- 強度が高く折れにくい(消耗しづらい)
- 他の素材のシャフトに比べて重たい
フィルテイラー選手は少し後ろめでグリップしているので、重心を少し後ろに持ってくるために、シャフトに重さをつけているのでしょうか。
重心を持つことでダーツに力が伝わりやすくなり、リリース時に飛び姿勢を維持しやすくなるので、おそらくそれでつけているのかなーと勝手に思っています。
さーもん(管理人)
フィルテイラー選手のダーツがキレイに飛んでいる理由はここにもしかしたらあるのかもしれません。
チップはターゲットのピクセルチップ
ソフトダーツで使用しているチップは「ターゲット ピクセルチップ」で根本にカットが入っているのが特徴的ですね。
ハードダーツの選手は割とポイント(チップ)の部分に指を当てる人とかいて、そういう人のためにポイントにもカットが施されていたりするのですが、フィルテイラー選手はポイントに指をかけません。
さーもん(管理人)
おそらくフィルテイラー選手のスポンサーであるTARGETのチップを使用しているという理由だと思うので、特筆してこのチップを使用している理由は無いと思います。
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まとめ
輝かしい成績を残してきた選手はなにか特別な練習をしていたり、効率の良い練習法をしているのかと思いきや、ただただ練習の量が半端ないことがわかりました。
フィルテイラー選手の名言で「準備が不十分なのは失敗への準備。天才が勤勉でなかったとき勤勉さが天才に勝つ。」という言葉があります。
勝つためにはたくさん練習することが重要ということがこの名言から伝わってきますね。
さらに、インタビュアーがフィルテイラー選手に「ダーツが上達するにはどうしたらいい?」と聞くとほぼいつも「練習をたくさんすること」と言っていて、練習量がいかに重要だということがわかりますね。
さーもん(管理人)
フィルテイラー選手のフォームや投げ方は素晴らしいものでしたが、結局の所「練習量」や「自分にあった投げ方やフォーム」が重要とフィルテイラー自身も言っていたので、自分に合う部分は真似をしたりして、参考にしてもらえればと思います。